8月に発表された日本における2015年4~6月期の実質GDP成長率は、前期比で-0.4%(1~3月期+1.1%)、前期比年率で-1.6%(1~3月期+4.5%)と3四半期ぶりにマイナスとなりました。

GDPがマイナスになったことを新聞やニュースでは大々的に報じていましたが、エコノミストの間ではこの情報はほぼ織り込まれていたため、株価への影響は全くありませんでした。

ただ、ここ最近の株価急落の原因で言われているように中国経済が良くありません。

※厳密にいうと、エコノミストの間では中国経済が良くないというのは「常識」で、国内では「建築したのは良いけれど誰も住んでいないゴーストタウン」などは数年前から数多くあり、数%の富裕層以外はどん底に近いというのが現状のようです。投資家はそれが分かった上で「赤信号みんなが渡るなら、自分も渡らなければ損」という考えのもと、株の売買をしているにすぎず、今回の一件で「いよいよ暴落か」と皆が一斉に反応した結果だと思われます。



中国ではこの一年ほど、「株価が上がる」という情報を人民に流して官製相場を作り上げており、人民はそれに乗り遅れまいと、借金までして株にお金をつぎ込んでしまい(これを信用買いと呼びます)、その後の大暴落により大損を抱えてしまっています。



ここからは、今回の中国株の乱高下の経緯を記載していきます。

中国政府による2014年7月の投資規制緩和、11月の中国人民銀行の利下げ、今年に入ってからの政府の党見解を代弁する人民日報に株高を肯定的にとらえる評論が出されるなどの『官製相場』が作られました。そして、それにつられる形での中国人民による信用買い(ある意味爆買い)により、中国の株価は今年の6月12日には1年前の2.5倍にまで上昇しました。

これは、日経平均に例えると2万円の株価が、1年後に5万円になっている状態であり、これを考えるといかに中国株が短期間に急騰したかが分かります。

そして、株価上昇に貢献した中国人民の信用買いが後に悲劇を生み出します。

信用取引というのは、投資家が一定の「保証金」を担保にして証券会社などから手持ち以上のお金を借りて株を購入することを指します。
これにより、自己資金の数倍もの株を手にできるという訳です。

そして、中国の株式市場は中国人民の個人投資家が8割もいるとされ、その人達が、政府が誘導する形で上昇してきた株価に「乗り遅れるな!」とばかりに信用取引を多用してしまうことでバブル(実体経済とはかけ離れた株価)を演出してしまったと言えます。
※このようにして、信用取引残高は44兆円にまで膨れ上がったとされますが、個人投資家の思惑が的中したことにより、儲けたお金を円安で安く買える日本製品の爆買いに使用され、日本にも恩恵が及んでいました。

中国人民の「借金をしてまで株を買う」という強気の背景には、「仮に株価が下落しても、中国政府が買い支えてくれる」という思惑があった様です。

しかし、2015年の6月中旬に政府が信用取引の規制に乗り出したのを機に、7月3日には3割もの大下落につながってしまいました。

そして、中国政府は証券会社に5兆円を融資したり、悪質な株を売るものを摘発するという、なりふり構わない対策を次々と打ち出していますが、その後も乱高下を続けながら、切り下がっています。

そもそも、株式市場において株の売り買いが「悪質かどうか」などといった概念はなく(インサイダー取引は別として)、この摘発をはじめとした中国のなりふり構わない対策は、海外からは「そんなことをしなければならない程、中国経済は悪いのか」と思われてしまいました。

また、中国人民は信用買い(お金を借りて株を買う)という行為をしていたため、株価の下落による損だけにとどまらず、その損の何倍もの借金を背負ってしまう人も出てきています。
※これは、日本への爆買いが今後は減るかもしれないという理由の一つにもなっています。

また、最近で言えば、天津の爆発事故によって、安全管理も問題視されています。

このように、最近は中国に関する悪いニュースが立て続けに流れており、日本を含めた世界経済に大きな不安を与えています。

日本に関しては、今回発表したGDPとは裏腹に大企業は好調ですが、中国企業に依存している部分も大きいため、「アメリカのみならず中国がくしゃみをしても風邪をひく」といった状況であり、今後も中国には目が離せません。

しかし、目が離せないとは言っても、中国は情報統制が厳しく、例えば今回の天津の大爆発でも海外メディアにはほとんど正確な情報を発信しようとしておらず謎のベールに包まれたままで、私たち投資家が実施できる情報収集には限りがあるのが現状です・・・・・

現在の日本株に関して押し目買いのチャンスとみるか、まだまだ下落局面の途中とみるか、皆さんはどちらでしょう。

今月にアメリカで発表される利上げの話題と合わせて注視していきましょう。

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