アノマリーには信頼性が低いものから高いものまで沢山あります。

その中で、「日経平均株価が秋口に底を打つ傾向がある」というアノマリーは比較的信頼性の高いものに分類されます。

もちろん、他の記事でも解説したように、現在の様な官製相場では今までの様な法則が通用しないことも多いですが、頭の中にとどめておいて損はないアノマリーと言えます。



このアノマリーの鍵を握るのはアメリカの株式市場や機関投資家になります。

日本の株式市場では海外投資家がかなりの割合を占めているため、「アメリカがくしゃみをすれば、日本も風邪をひいてしまう」などと皮肉られる有り様です。

そんなアメリカにおける下記の様なスケジュールが「秋口底値説」を生み出す一因となっています。

①アメリカの投資信託は12月と翌年の1月に決算が行われますが、税金などの損益通算は10月までの売り上げを基に計算されます(10月までに売ったり買ったりしたものに税金がかかるわけです)。損を出せばその分税金も少なくなるので、利益は当然ながら、損失もきちんと出してくる、それが10月の動きになります。

②投資信託だけでなくヘッジファンド(様々な手法を用いて利益を追求する投機的なファンド)の一部は11月に本決算を行う為、10月あたりから売りが入ってきます。
※ちなみに5月も中間決算として売りが入る為「5月のこいのぼり天井」というアノマリーを生み出す一因とされています。

③11月には年金の損益通算があります。また、個人の原資確定の締め切りが12月までで、翌年の確定申告の為にここで原資を出してくることも多少影響する場合があります。


この様に、様々な事情が秋には発生します。
損益確定するにはいったん株をすべて売って、現金にしなければなりません。その結果この時期には、どんどんお市場から資金が抜けていく(=株が売られて株価が下がっていく)傾向があると言われています。
※①~③は日本にもある程度投資しているのでアメリカのみらなず日本の株も売られます。

さらには、アメリカの四半期ごとの決算発表で、7月から9月気の決算発表が10月上旬から始まり、決算発表の前には「業績が良いか悪いか分からない」という不透明感から売り圧力が加わります。
(ただし、実際に発表が始まると、株価は元に戻る傾向にあるようです。これは悪い予想や、良い予想を発表直前までに「織り込んでしまう」ために、どんな結果であろうと「想定内」となり安心感が広がるからだとされています)


これらのアメリカの要因に引きずられるかのように、アメリカ市場を指標に売価している日本の機関投資家もアメリカの様子を見て売ってきます。

この様に、秋口は巨大な運用資金が連続的に売られるため、立場の弱い個人投資家がこの圧力に逆行するのは困難で、結果的に底値まで下落するという事になります。

※なんども言いますが、あくまでアノマリーであり、昨今の強気相場には通じない可能性もあります。

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