それでは、EU側の緊縮策を受け入れた場合が上手くいくケースなのでしょうか?

前回の投稿で示した、EUが崩壊してしまうといったリスクは当面避けられることが出来るため、他の国々にとってはこのケースが望ましいです。

また、ギリシャ国民にとってもEU側が支援を継続してくれることになるので、これも良い点です。

しかし、このケースでは更なる緊縮に励まなければなりません。

ギリシャはこれまでもEU側に緊縮策を強いられてきたため、GDPは30%落ち込み、失業率は増え、自殺率も増え、福利厚生が抑制されて食べるものにも困ってしまうありさまで、国民の不満が爆発したことから、今回の騒動に発展しました。

そして、今回EUが提示してきているのは更なる緊縮策です。

そうなると、今まで以上に上記に挙げた事態が悪化する可能性があります。

そもそも緊縮策では国は栄えません。

緊縮策というのは、国の経済がバブル的になった際に、経済に冷や水を浴びせて軌道修正するために用いるのが基本です。

日本では緊縮策の一環として消費税を5%から8%にあげました。消費税を上げることにより少しでも財政再建をすすめようと考えたのです。

もちろん、景気に冷や水を与える可能性もありましたが、アベノミクスによって株価が上昇して「イケイケどんどん」状態だったので、「これなら景気が冷え込むことは無い。冷え込んだとしても3か月程度の一時的な事だ」ということで踏み切りました。

しかし、現実は景気が大幅に後退しました。

そして、当初予定していた8%から10%への再増税を、景気を冷やさないために延期するといった判断を下すまでに陥ったのです(これにより、やっと最近は景気が再度持ち直しつつあります。とはいっても、前回の増税前と同じ水準程度にやっと戻った程度ですが)。

日本におる消費増税だけでもこれだけのインパクトがあるわけですから、多方面化からの緊縮を強いられるギリシャ国民への負担は尋常ならざるものでしょう。

では、緊縮策ではなく、どんな方法なら国は栄える可能性が持てるのでしょうか?

それは日本が増税を延期してまで得ようとしている「経済成長」によってです。

経済が成長すれば、国民による付加価値税(消費税など)ではなく、企業による税収などにより、付加価値税以上の財政健全化が図れます。
※ただしリーマンショックなどの外部要因による影響にさらされるというリスクはありますが。。。。


なので、ここで重要となってくるのはEU側の対応です。

「怠け者に自分たちの税金を使われたくない」という感情も分かりますが、本当にその国の税収を増やして健全な国にしようと思うのであれば、緊縮策を軟化させるといった逆の発想(もちろん+αも必要)も重要なのではと思います。

※ただ、日本が経済成長の可能性を感じられるだけのポテンシャルを持っているのに対して、ギリシャでは観光+α程度しか目玉が無く、ポテンシャルを感じにくい点も事実なため、タイトルを「進むも地獄・進まぬも地獄」としました・・・・・・・・・・・・・・




最後に、少し日本に話を戻します。

ギリシャ問題からもわかる様に、緊縮策も経済成長も、財政健全化という目的を達成するための「手段」ということでは一致しています。

しかし、以前にアベ政権が「アベノミクスによる経済成長」と「8%の消費増税による緊縮策」によって二兎を追えると思っていたものの、実際には景気が腰折れしかけて、10%の再増税を延期せざるを得なくなったことからもわかる様に、この2つは性質が全く異なります。

経済成長と緊縮を同時に実施するという事は、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるのと等しい状態です。

なので、まずはどちらか一方に集中して政策を展開しなければなりません。

そして、経済成長と緊縮のどちらに集中したほうが良いかは、ここで述べてきたとおりになります。

また「緊縮策」というのは消費増税だけでなく、ザックリいってしまえば「国民に負担を強いるような政策全般」と言えるのではと私は考えています。

そのため、住民税・所得税・医療保険料・介護保険料をふやすことも含み、更にいうと医療・介護分野の崩壊につながるような政策が打ち出された際に「私たちの老後は大丈夫?」と心配を与えてしまう様な政策などなどをも含みます。

景気は「気」から と言いますが、将来に不安があるうちは、どんなに現時点で景気が良さそうであっても、国民はポジティブな消費が出来ません。

国民に不安を与えるような政策は全て「緊縮」として考え、経済成長や国民が将来に期待が持てるような政策に集中してもらい、「二兎を追うものは一兎も得ず」ということわざを大切にしてほしいと思います。

※余談になりますが、次回の10%消費増税が、再度延期される可能性も言われています。理由はこのブログに記したとおりです。


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