はっきりいって、節約したくない、働くのは好きじゃないと言っている国に、支援したい国なんていないでしょう。




支援しているEUの中心になっているのはドイツなどの国際競争力のある勝ち組な国々なわけですが、それらの国民が「何で私たちの税金を、あんな国の支援に使われなければいけないのか?」と憤る気持ちは非常に良くわかります。



特にドイツなんかのコツコツと真面目に働く人達からみたら、ギリシャ人は怠け者で働きもせずにお金だけはせびってくると思ってしまうのかもしれません(ドイツ人とギリシャ人を、アリとキリギリスに例える専門家もいます)。


しかし、こういう国民感情とは別に、EUにギリシャの様な弱小国が加盟しているからこそ、何年もの間ドイツ経済が好調であった点にも目を向けるべきです。



そもそもドイツなどヨーロッパの中でも信用力のある国の通貨は価値が高くなりがちです。


そして価値の高い通貨は輸出には不利です(数年前まで、日本が円高によって輸出企業が絶不調になっていたように)。


つまり、ドイツが以前の通貨であるマルクのままでは、ベンツなどの高級車もそこまで売れません。


しかし、EUとして通貨がユーロに変わったことで、ギリシャなどの信用力の低い国々のことも通貨に加味しなければならなくなったので、ユーロの価値が高くなり過ぎない状態を保つことが出来ているわけです(最近ではEUが金融緩和策をとったために、ユーロ安に拍車がかかっているわけですが)。


そうなると、ドイツなんかはマルクのままでいるよりもユーロになった後のほうが輸出に有利に働き、ますます、勝ち組になっていく訳です。


また、ギリシャは、ドイツにとってもお得意様です。


ギリシャは以前、ドラクマという通貨だったのですが、信用力が低く、金利も高い状態でした。


つまり、個人で言えば「ローンが組みにくい状態」となっていました。


しかし、通貨がドラクマから(ドイツの信用力が加味されている)ユーロに変わることで、金利が低くなりました。


すると、個人で言えば「ローンが組みやすい状態」となるわけです。


これはお金を借りやすくしてしまう状態であって、浪費癖のあるギリシャ人がどの様な行動に出てしまうかは想像に難くないと思います。


そうなると、高級な物にもついつい手を出してしまうので、ギリシャでベンツなどの高級車も多く走っている一つの理由とされています(日本でもお金は無いけど、ブランド物のバッグを借金してでも買ってしまい、自己破産に陥っている女性なんかをたまにニュースで見かけます。そんなのをイメージしたら分かりやすいかもしれません)。


つまり、ドイツはギリシャがユーロに入ることによって①輸出品が売れやすくなった②ギリシャにも高級品を買ってもらいやすくなった  という恩恵を受けているわけです。


そのため、ドイツの世論は二分している様です。


一つ目は「ギリシャがEUに入っていることによるメリットを享受してきたわけだし、今からも享受できるわけだから我慢しよう」という声で、フランクフルトなどの経済的影響を受けている町から主として聞こえてくるもので

二つ目は「なんで私たちがコツコツと頑張って納税しているお金を、あんな遊び人どもに使わなければならないんだ」という声で、田舎で今までも輸出などの恩恵を受けていなかった人々が住んでいる町から主として聞こえてくるものです。


ただ、ギリシャの借金踏み倒しを我慢することでドイツ自身にも恩恵があるという「理屈」と、自分たちの税金がギリシャ人なんかに使われたくないという「感情」とでどちらが勝つかというと、やはり「感情」が勝ちやすいのかもしれません。


そして、そういった世論も鑑みながらメルケル首相が行動しているからこそ、今の現状につながってしまったのかもしれません。

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